万国正義院

 

2001524

 

カルメル山のプロジェクト完成行事のために集まった信徒の皆様へ

 

バハイの友らよ

 

シアチャルの暗黒の地において、バハオラが聖なる呼び声を聞かれてから、158年がたちました。それは、地上のすべての人々に、神の日の到来を告げよ、という呼びかけです。

 

まことに、われは、汝自身と汝のペンをもって、汝を勝利に導かん...やがて神は地上の宝を育てられるであろう――つまり、汝を汝自身と汝の名を通して助ける者たちを。その名を通して、神は、神を認識した者らの心を生き返らせたもうた。

 

歴史的に言えば、その最初の瞬間から、今週ここでわれわれが祝った華々しい勝利を隔てる時間は短いものです。地上のあらゆる場所、人類のあらゆる民族を代表するあなた方は、バハオラがご自身を助けるために育てられた人々の一部なのです。そして、その仲間であれることに対して、われわれは誰も、十分に感謝の意を表現できないでしょう。

 

アーク上に立つ荘厳な建物は、ショーギ・エフェンデイにより神の山上にその基本的設計がなされました。また、バブの廟を包み込むすばらしい庭園テラスは、これらの建物とともに、われわれが奉仕する大業を動かす、圧倒的な力の表れです。それらは、バハオラの信奉者らが、世界共同体の基盤を敷くことに成功し、また、その共同体の生活を形成する、独特で難攻不落の「行政秩序」の主要機関を出現させたという事実の、永遠の証言となります。その世界共同体は、現在人類を分裂させているすべての相違を超越するものです。カルメル山上に起きた変革において、バハイの大業は、地球規模において目に見える、抵抗できない現実として、また、神の時が熟したときに社会の再建をもたらす諸々の勢力の中心点として、そして大業へ向かう者すべてのための精神的更新の神秘的な源泉として、出現するのです。

 

バハイ共同体の業績に関して熟考すると、同胞なる人類の大部分を襲っている苦難と困窮を見せられ、また心を痛めます。しかしそれは必要なことです。なぜなら、その効力は、人々の心と頭を、バハオラがわれわれに託された使命の意味に向けさせることだからです。バハオラはこう宣言しておられます――「まことに知るがよい。世界を襲ったこれらの圧迫は、人類を、最大正義の到来に準備させていることを」。またアブドル・バハは、こう付け加えておられます――「神に誉れあれ!正義の太陽は、バハオラの地平線上に昇った。バハオラの書簡には、創造の初めから誰も考え出したことのないような正義の基盤が築かれているのだから」。結局は、われわれの全ての活動が果たすべきものは、この聖なる目的なのです。そしてわれわれは、信教を教え、その機構を確立・強化し、社会生活のそれが及ぼす影響力を増進させるために払う努力において何がかかっているか理解できるようになる程度まで、この目的を推進させるのです。

 

人類のニーズは、競争相手間の争いや、絶望的な時代を苦しめる無数の虐待行為によって満たすことはできません。むしろ、根本的な意識改革、地上の全ての人たちがそれぞれ、人類全体の安寧のための責任を受け入れることを学ぶべき時が来たというバハオラの教えを、全面的に受け入れることが必要とされます。この革命的な原則に身を委ねることは、個人の信者や機構が、他者を神の日に、そしてこの世界を変えうる精神的・道徳的潜在能力に呼び起こすことにおいて力を与えるでしょう。われわれは、他者に対する振る舞いの正しさ、規律、また社会の集団行動を不具にする、そして変化に対する積極的衝動を損なう偏見のなさによって、この献身さを実証できる、とショーギ・エフェンデイは述べておられます。

 

ショーギ・エフェンデイが設けられた標準は、個人と集団両方の意味で、バハイ共同体全体に当てはまります。しかしそれは、バハイユースにとって特別な意味合いがあります。彼らは、うらやましいほどのエネルギー、知的柔軟性、そして身動きのしやすさという利点に恵まれています。バハイユースが受け継ぐ世界は、教育・経済その他の基本的機会において、はなはだしく不正な世界です。バハイユースは、このような障壁によっておじけづいていてはなりません。彼らのチャレンジは、人類の真の状態を理解し、人種的・国家的分裂だけではなく、社会的・物質的状態によって作られた分裂から解放され、委託された大いなる信託を推進する継続する精神的絆を、彼ら自身の間で築くことである。

 

バハオラは、われわれに、共同体内のユースが一般社会より早く成熟すること期待するよう、励ましておられます。明らかにそれは、教育的・経済的現実、あるいは家族の義務などを軽視するものではありません。それはバハイユースが、社会的変革における道徳的責任を受け入れることを意味します。この言葉の立証として、われわれは、今日、神の山を燃え立たせたその廟の主、そして、われわれが今従事している事業を魂の偉大さと自己犠牲により発進させた若き英雄・英女たちの記憶を呼び起こします。

 

我々が今日祝っている業績は、2つの逆説的現実を焦点にもたらします。信教自体の内部では、バハイ共同体の結集力は大いなる前進を予期します。その前兆は、至る所で明らかです。必然的には、ショーギ・エフェンデイが幾度か強調して述べられたように、この前進は、大業がこれまでに経験したもの以上の激しい反対を引き起こすでしょう。この反対は、代わって、前方に横たわる更に要求の高い仕事に必要とされる偉大な力を解き放つでしょう。

 

我々の努力がなされている世界では同じく、大きな変化が起きています。一方では、多種多様な民族の間で、理解と協調を促進している機関や個人の巨大なネットワークは、「地球はひとつの国であり、人類はその市民である」という認識をさらに強化しています。他方、世界が社会的麻痺状態・圧制と無政府状態の時期を通過していることも同様に明らかです。これは、政府と個人の両方の責任を広範囲で怠っている時期であり、その究極の結果は地上の誰も予期することができません。この二つの出来事の及ぼす効力は、この地球を共有する人々の心の中に、神の大業のみがかなえうる和合と正義の切望を呼び起こすことである、とショーギ・エフェンデイは指摘しています。

 

長く困難な奮闘と試みと建設のプロセスは、数々の勝利へとつながり、新世紀の幕開けとともに、われわれの心を活気づけました。急速に発展するインステイチュートと、成長の戦略において至る所で投資されるエネルギーによって、バハイ共同体は、達成されたものを活用するため迅速に動きました。世界を包み込んでいる陰鬱がいかに深刻なものであろうと、バハオラの使命を遂行するにあたって、未来がこれほど明るかったことはありません。今週、ここに集まる特権を与えられたわれわれは、1世紀前に万軍の主が、この山上で啓示された言葉の成就の始まりを、わが目で目撃しました。それらの言葉とは、地中の原子そのものを振るわせた、次の言葉です:「まことにこの『日』こそは、地と海とがこの告知に歓喜する『日』である。そして人間の知性や心の理解には及ばぬ恩恵を通して、神が啓示のためにお定めになったものは、この『日』のために蓄えられてきたのである」。

 

そのような特権には、それと同等の大きな責任が伴います。それは、バハオラが、その歴史的な機会に表された痛烈な願望を実現されるようにするために、いかなる犠牲を払おうとも、またいかなる困難があろうとも、自らの役割を果たすという責任です。その願望とは、次のとおりです:「ああ、われはいかに熱望することか!この『啓示』の吉報を地上のあらゆる場所で告げ、そのひとつひとつの都市に伝えることを。この『啓示』に、シナイの心は魅惑され、この『啓示』の名において『燃える柴』はこう叫んでいる――『主なる者らのうちの主である神に、天と地の王国は属す』と」。

 

熱烈な感謝の意を持ってわれわれは、人類の救済とその病の治癒というバハオラの目的を果たすための、あなた方のあらゆる努力をバハオラが祝福し、確証してくださるよう、聖なる敷居でお祈りいたします。

 

愛あるバハイの挨拶を込めて

 

 

万国正義院