万国正義院

バハイ世界センター

151年 レズワン

世界のバハイへ

 

親愛なる友の皆さん、

 

1. 三年計画の一年が、今、過ぎ去りました。希望と不安、楽観と失望、また、人々の勇気に対する賛美と人類が下落し得る残酷さに対する恥辱の両者が、この年に世界中で起こった混乱によって、心と意識の中に植えつけられました。こうした試練の中にあって、バハオラの従者達は、神の王国の骨格を顕(あらわ)にし、新しい精神を社会に吹き込み、教えによる蘇生の効果をあらゆる人々に実証しながら、明確な展望と自信を持って前進しています。

 

2. 523日、世界センターでは、国際布教センターの新メンバーによる5年間の新任期が始まりました。我々は、彼らとの第一回合同会議で、旧メンバーが前任期中に執ってきた数多くのイニシアチブを評価するとともに、それを更に発展させるように強く要請しました。こうしたイニシアチブの中で最も特筆すべきものは、バハイ共同体の成長過程を支え、新たな動きを引き出すための協議を、地方や国のレベルで、機構や信者間に推進するようにと、大陸顧問団にガイダンスを与えたことです。続いて、布教分野の様々な着手の方法を段階的に明らかにしたことです。一年が経過するにしたがって、これらの行動によって、大陸顧問・顧問補佐・アシスタント等によって与えられた信教とその機構の推進力が、更に増幅され、国や地方の精神会・信者個人に与えられた内なる視力と勇気が強化されました。

 

3. 世界に映る信教のその評判は高まり、世界センターに注目が集まっている現在、バブの廟のテラスとバハオラの大業を運営するための世界行政センターの建造物とを完成させることの重要性を強く訴えます。このプロジェクトにとって、三年計画の期間中に必要な74百万ドルの基金を、バハイ世界に特別に呼びかけて以来、心暖まる手ごたえが続いています。この犠牲的精神を継続することによって、迅速に目標が達成され、建設工事が中断されることのないように強く希望する次第です。訪問者達だけでなく、住民達からも同じような称賛の眼差しが、神のこの聖なる山に注がれています。

 

4. アグダスの書の学習によって、多くの一般の信者の生活が啓発されています。信教の原則を守り、その法に従うことの重要性の認識が高まっています。ホゴゴラの法を世界に適用することに対し、熱い反響が寄せられています。信教を布教するという一人ひとりの義務の意識が強くなっています。そして、彼らが自分たちの精神的な責任を果たし、バハオラの確証に対してより大きく信頼することにより、信念が新たな活力を生み出し、心に新しい自信が生じてくるのが分かるでしょう。これらのことは、他から言われたり、助けられたりするのではなく、どこででも、個人で行動を起こせるものです。共同体の発展に計り知れないほど貢献できるような精神力を、それぞれの信者は、個人で、全能者の力の援助によってのみ開発するように求められています。

 

*イニシアチブ…会議や組織の中で特定の人があることの必要を唱え、全体をリードする事。

 

5. 大業の人的資源は、二つの方法により増加しています。能力のある人々は信教を受け入れるようになり、既に奉仕している人々を更に強化しています。後者は、教えをより深く勉強することで、また、行動によってその教えを実践することで、自らの経験を豊かにし、より大きな能力を身につけてきました。教えを理解するためと社会にそれを適用するための組織だったディープニングの必要性を認識することにより、友等はワークショップや研修会を活用することが増え、著しい成功をおさめました。これからの年は、これら二つの補足し合う過程—能力ある人々を魅きつけることと私たち自身の能力を増大すること—は、更に推し進められなければなりません。そして、個人の行動と信教普及のための多岐に渡る活動との調和のとれた発展を促さなければなりません。

 

6. 一人ひとりの信者の潜在能力が発揮されるにつれ、地方と国のバハイ機構は、共同体の生活の質を向上させ、独創的なプロクラムを生み出し、実行するための能力を得ます。複数の地方精神会が協力して一カ所に信教を布教することが、多くの地域に見られました。全国精神会もまた、大業外部の発展によって生じる機会をとらえようとして、斬新な計画を展開してきました。それぞれ大きく異なった分野ではありますが、このような活動のいくつかの例として、次のようなことが挙げられます。アルバニアでの公開状計画、シベリアのサカとブルヤット共和国で、政府当局や一般の人々が驚異的に受け入れたことに対する対策、そして、五つの州の小学校の運営の責任をバハイに担ってほしいという政府当局の要望を盛り込んだマーシャル諸島全国精神会とマジュロ島の地方政府との同意書の調印、などです。

 

7. 地方と国のバハイ機構の発達は、行政の地方分権を更に可能にしました。しかしながら、この有益な過程を発展させるために、ほとんどの国において緊急に必要とされていることは、地方精神会の機能をいち早く向上させることです。このために、信者一人ひとりの深い関心が要求されています。アグダスの書の中に直接定められたこれらの地方のバハイ機構は、力と導きの源となり、それが成熟するにつれ、大業の役割が有効性を発揮します。

 

8. 私たちはバハオラのメッセージを緊急に必要とする人々の真っただ中に生きています。可能な限り、多数の魂にそれを分かりやすく納得のいく形で提供することは、私たちの義務であります。私たちの周りの暗闇や苦難は、そのメッセ一ジの必要性の証であることを示しているだけではなく、私たちがつかみ損ねてはならない好機をも提供しているのです。メッセージを伝えることは、ほんの第一段階に過ぎません。それが理解され、実行されていくことを確認しなければなりません。そのことは、守護者の代理によって書かれた手紙の中にあります。『大衆が、バハイの中に真の模範を見、行動の中に自分たちが既に持っているものよりも更に良いものを見るまでは、大衆が多数で信教に応じることはないであろう。』当惑した者たちにとっての光と避難所となる真のバハイ共同体を徐々に作るためには、大業を受け入れた時から、教えを通して、自分たちや一般市民との関係を向上させるべきであります。

 

*公開状計画…バハオラとバハイについての声明文を作り、それを新聞、ラジオ、チラシなどを利用して全国民に宣布した計画。

 

9. 信教の輝かしい英雄時代の出来事の後、ショーギ・エフェンディ在任中に、世界の人々が神の大業に集団で入ってくるということが、初めてアフリカで起き、そこから他の地域へと波及しました。共同体の機能の中でこれら数多くの信者たちのつながりを強め、持続的に成長できるための強い基盤を確立することをねらいとした方法やプログラムを、これらの地域のバハイ共同体は、徐々に、経験を通して学び、開発しています。彼らの努力の手助けとなると同時に、他の国々のバハイ達がこの過程を開始し、維持できるように、また、このような挑戦的な考えにありがちな誤った概念を払拭するために、《集団加入の促進》という冊子が編纂されました。以前から集団加入が実現している地域でも、その兆さえも現れていない所でも、ここに記されている原則や着手の仕方を学び、理解し、実行することは、すべてのバハイの布教者と共岡体にとって間違いなく助けになるでしよう。後者の地域でも、これによって、個人の信者にこの過程が必ず実現できること、そしてこの過程が妥当であることが明らかにされるでしょう。そして、集団で押し寄せてくるときのために、バハイ共同体が、自らを精神的にも物質的にも準備し、実現することを心から期待し、その開始を促す段取りをし、成長が続く方法を確固たるものにすることが可能になるでしょう。

 

10. 昨年は、国際協力が盛んになり、パイオニアの定住や布教旅行者のよどみない流れなどが、バハイ共同体の構造をさらに緊密にしました。このようなことを達成するために、アマトゥール・バハ・ルヒヤ・カヌーンは、信者を勇気づけ、また、信教の宣布をするために、困難な旅行をされました。それは、ロシアと、旧ソビエト連邦の一部だった国々、つまり、西はバルト諸国から東はシベリアまで、南はサンクトペテルブルクから北はヤクーツクまででした。

 

11. このレズワンには、新しい七つの全国年次大会が開催されます。これらの歴史的な行事に、神の大業の翼成者であるアマトゥール・バハ・ルヒヤ・カヌーンがプノンペンで行われるカンボジアバハイ全国精神会の選挙、また、ウランバタールで行われるモンゴルバハイ全国精神会の選挙に、我々の代理として出席されます。神の大業の翼成者アリ・モハメッド・ヴァルガ氏はリュブリャナで行われるスロベニア・クロアチアバハイ地域精神会の選挙に出席されます。大陸顯問のロレッタ・キング女史はアルマアタで行われるカザフバハイ全国精神会の選挙と、ビシュケクで行われるキルギスタンバハイ全国精神会の選挙に出席されます。大陸顧問のシャプール・モナジェム氏はドゥシャンベで行われるタジキスタンバハイ全国精神会の選挙と、タシケントで行われるウズベキスタンバハイ全国精神会の選挙に出席されます。現在アシュカバッドにある中央アジア地域精神会は、この度、トゥルクメニスタンバハイ全国精神会になります。

 

12. 足早に、今世紀の終わりは近づきつつある。時間は少なく、やることは山積している。乾きに喘いでいるすべての魂に信教を布教することと、カルメル山上に展開されている記念碑的な事業の完成のため物質的な供給をすること、これら二つの最も重要な仕事に最大の努力をするよう、我々は、一人ひとりのバハオラの大業の従者に対して呼びかける。これから一年、人類の状況がどのようなものになろうとも、バハイ共同体は力を結集し、顕著な特徴ある生き方をはっきりと実践し、自信を持ってそのメッセージを宣布・布教するよう手を伸ばし、天上の軍勢の確かなる援助をこれまで以上に引き出さねばならない。これらの仕事のあらゆる面で、各自一人ひとりのバハイが勝利への鍵を握っている。

 

万国正義院 (署名)