質疑応答

 

 

質疑応答

 

1  質問  最大の祝祭について

答え  最大の祝祭は、バヤンによる1年の、2ヵ月目の日午後遅く始まる。この祝祭の第1日目、9日目、

12日目は仕事を禁じられている。

 

2  質問  対をなす誕生日の祝祭に関して

答え アブハの美(バハオラ)の生誕はモハラム月(イスラム太陰暦の最初の月)の2日目の夜明け時であった。彼の先駆者は同じ月の1日目に生誕した。これら二つの日は神の目には一つと見なされる。

 

3  質問  結婚の誓いについて(アラビア語では男性と女性の誓いの言葉が異なる)

答え  男性は「まことに、私たちは神の御意志に従います」、女性は「まことに、私たちは神の御意志に従います」、と誓う。

 

4  質問  男性が帰還の時期を明確にせずに旅にでた場合、つまり予定不在期間を知らせなかった場合で、その後も彼から何の便りもなく、行方がまったく分らない場合、彼の妻はどう対処すべきか。

答え  もし彼が、これに関するアグダスの書の規定を知りながら、帰還の時を定めることを怠った場合、妻は丸一年待ち、その後は賞賛に値する道をとるか、別の夫を選ぶかは自由である。しかし夫がこの規定を知らない場合は、神が、親切にも彼の運命を明らかにされる時まで忍耐強く待つべきである。これに関して、賞賛に値する道という意味は、忍耐強くあるということである。

 

5  質問 次の聖句について。「まだ生まれていない子らの叫びを聞いたとき子どもの分け前を二倍にし、残りの分け前を減らした」

答え 神の書によれば、故人の財産は二五二〇株に分けられる。この数は9までのすべての整数の最小公倍数であり、これらの分け前は7つの部分に分けられ、各部分はその書に述べられている通り、個々の部類に属する相続人に配分される。たとえぱ、子どもたちには60の分け前が9ブロックで、計五四〇から成る分け前が配分される。「われは彼らの分け前を二倍にした」という句の意味は、このように子どもたちは60の分け前を更にあと9ブロック受け取ることで、全部で18ブロック受け取る権利を与えられたのである。彼らが受け取る余分の分け前は、他の部類に属する相続人の分から差し引かれたものである。たとえば、配偶者は60の分け前の8ブロックである。「四八〇の分け前を含む8つの部分」を受け取る権利があると啓示されているが、今この再整理により、全部で90の分け前を含む1.5が配偶者の分から差し引かれ、子どもたちに再配分された。他の部類の場合も同様である。結果は、差し引かれた合計は9ブロックの分け前に相当し、それが子どもたちに配分されることになる。

 

 

6  質問 兄弟が遺産の分け前を相続する権利をもつためには、故人と同じ父親と母親から生まれていなければならないのか。それとも片親だけが同じであれば十分であるのか。

答え もしその兄弟が同じ父親をもつのであれば、彼はこの書に規定されている方法で遺産の分け前を受け取ることができる。しかし、母親だけが同じである場合、彼はその権利の三分の二だけを受け取り、残りの三分の一は正義院に帰属することになる。この決定は姉妹にも適応される。

 

7  質問   遺産相続に関する規定の中で、もし故人が子孫を残さなかった場合、彼らの財産の分け前は正義院に帰属すると定められた。同様に父、母、兄弟、姉妹や教師といった相続人がない場合は、彼らの財産の分け前は正義院に帰属するのか、それとも他の方法で処理されるのか。

答え    この聖なる句で十分である。彼はこう述べ給う。その言葉は高遠なり。「故人に子どもがない場合、子どもの分け前は正義院に帰属する」云々とあり、また故人が子どもを残しているが、聖典で規定されている他の部類の相続人がいない場合、子どもは遺産の三分の二を受け取り、残りの三分の一は正義院に帰属する。この規定は全般的なもの、および特定なものに適応される。つまり、後者の部類に属する相続人がない場合、彼らの遺産相続の三分の二は子孫に渡され、残りは正義院に帰属する。

 

8  質問  ホゴゴラが支払われるべき基本額について

答え  ホゴゴラが支払われるべき基本額は金19メスガルである。換言すれば、この価値に相当する現金を得たら、ホグクを支払う。同様に、他の形態の財産の、数ではなく、価値が、述べられた額に達したならホグクを払うことになる。ホゴゴラは一度支払うだけでよい。たとえば、一〇〇〇メスガルの金に相当する財産を取得し、これに対してホグクを納めた人は、この値を超える利益に関するもの以外は、更なる支払いは不要である。商売等を通じて、その利益がさらに19メスガルの値に達した場合には、人は神が定められたことを実行しなければならない。持ち主が変わったときは、その物に対するホグクの支払いは、再度最初のときの原則にそって行われる。「最初の点」は、ホゴゴラは人の所有するすべてのものの価値について支払われると指定したが、この最も強大なる宗教制では、われは生活や住居のニーズをまかなうような生活必需品をこの対象より除いた。

 

9  質問 故人の、ホゴゴラ、負債、葬儀と埋葬費の支払いのどれを優先すべきか。

答え  葬儀と埋葬費の支払いが優先する。次に負債を払い、その後ホゴゴラを支払う。もし故人の財産でその負債を清算しきれない場合、その者の不動産の残りはその大きさにあわせて負債清算に充てられるべきである。

 

10  質問  アグダスの書では剃髪を禁じているが、ハッジの書簡では剃るように、とあるのはなぜか。

答え  人は皆、アグダスの書に従うよう命じられている。その書に啓示されたことは何であれ、しもべのための神の法である。聖なる家の巡礼のために剃髪すべしという命令は解かれた。

 

11 質問   待機期間中に夫婦間で肉体関係をもち、その後再び仲たがいをした場合、待機期間をやり直すのか、それともその関係をもった以前の期間を待機期間に数えてよいか。また離婚が成立した後も一定期間待つ必要があるか。

答え  待機期間中に夫婦間で愛情が蘇ったときは、結婚の絆は有効であり、神の書で命じられたことに従わねばならない。しかし、ひとたび一年間の待機期間が終わり、神によって定められたことが実施されれば、それ以上待つ必要はない。一年間の待機期間中は夫婦間の肉体関係は禁じられている。これを犯す者は神の許しを乞い、罰として19メスガルの金を正義院に納めなければならない。

 

12 質問  結婚の誓いが読まれ、結納金が支払われた後に二人の間に悪感情が生じた場合、一年間の待機期間を経ないで離婚できるか。

答え    結婚の誓いが読まれ、結納金が支払われた後、合法的に離婚を求めることができるが、それは、結婚で床入りの前でなければならない。その場合、一年間の待機期間を守る必要はない。しかし結納金を取り戻すことは許されない。

 

13 質問  双方の両親の承認を得ることは結婚の必要条件であるのか。一方の両親だけの承認で十分か。この法は処女だけに適用されるのか、それとも他の者にも同様に適用されるのか。

答え  結婚の条件として双方の両親の承認が必要である。この点において新婦が処女であるか否かは関係ない。

 

14 質問  信者は必須の祈りを唱える時にゲブレ(崇拝の点)の方向に顔を向けるよう命じられているが、他の祈りや礼拝の時はどの方向に向くべきか。

答え  ゲブレに顔を向けることは必須の祈りを唱える時の必要条件であるが、他の祈りをする時は、慈悲深き主がコーランの中で啓示された「どの方向に顔を向けても、神の御顔がある。」という言葉に従ってよい。

 

15 質問  夜明け時にマシュレゴウル・アズカル(礼拝堂)で神を想うことに関して。

答え  「夜明け時」という言葉が神の書に用いられているが、一日の夜明けが始まったばかりの時、夜明けから日の出までの間、あるいは日の出の後2時間以内でも神は満足し給う。

 

16 質問  遺体は一時間以上かかる所へ運ぶべきでないという法令は、陸路と海路の輸送の双方に適用されるのか。

答え    この指示は汽船でも、列車でも、海路と陸路の双方による距離に適用されるものである。意図は、いかなる輸送手段であれ、一時間で行ける距離ということである。しかしながら、埋葬は早ければ早いほどふさわしく、支持されることである。

 

17 質問   遺失物はどう処理されるべきか。

答え    町の中で遺失物が見つかった場合は、町の広報係が一度その発見を告知しなければならない。その遺失物の所有者が見つかればその人に渡すべきである。所有者が見つからない場合は遺失物の発見者は一年間待つべきである。もしその期間内に所有者が明らかになれば、発見者はその人から広報係に払う代金を受け取り、遺失物をその人に返すべきである。所有者不明のまま一年間が過ぎた場合にのみ、発見者はその遺失物を自分の所有物としてよい。もし遺失物の価値が広報係に払う代金よりも低いか、または同等の場合、発見者は発見時から一日待つべきである。丸一日が過ぎて所有者が明らかにならない場合、発見者はそれを所有してよい。人の住んでいない地域で遺失物が見つかった場合、発見者は三日間待ち、その期間が過ぎても所有者が不明の場合、発見者がその発見物を所有することは自由である。

 

18 質問  洗浄に関して。たとえば、全身を洗ったばかりの時でも、改めて洗浄を行う必要があるのか。

答え   いかなる場合でも、洗浄に関する規定は守らねばならない。

 

 

19 質問   人が自国から他国に移住する計画を立てたが、その人の妻がそれに反対し、意見の相違から離婚になった場合、旅の準備に一年を要したとするとこの期間は一年間の待機期間と見なされるか、夫婦が別れた日が待機期間の始まりとなるのか。

答え  計算の起点は夫婦が別れた日である。従って、もし夫の出発前に一年間別居していれば、そしてもし夫婦間に愛情の芳香が蘇らなければ、離婚してよい。そうでなければ、夫の出発日から計算されなければならず、アグダスの書に述べられている条件を守らなければならない。

 

20 質問   宗教上の義務に関する成人の年齢について

答え  成人の年齢は男女共に15才である。

 

21 質問  次の聖なる句について。「汝ら、もし旅行中に安全な場所に止まって休むなら、男性も女性も同じように、唱えていない必須の祈りの回数に応じて一度ずつひれ伏し、…。

答え  この平伏は、旅行中、安全でない状況のために行わなかった必須の祈りを埋め合わせるものである。もし旅行者が祈る時間に安全な場所に休むことができれば、その祈りをすべきである。埋め合わせるための平伏に関する規定は在宅中と旅行中のいずれにも適用される。

 

22 質問  旅行の定義に関して

(注)これは断食を免除される旅行の最低期間に関するものである。

答え  旅行の定義は時計で測って9時間である。旅行者がある場所に止り、バヤンの計算で一ヵ月以上そこに留る予定ならその人は断食を守らねばならない。しかし、一ヵ月未満なら断食は免除される。もしその者が、断食期間中にある場所に到着し、バヤンによる一ヵ月をそこに滞在する場合、三日が過ぎるまで断食すべきではないが、その後は断食の期間が終わるまで断食すべきである。しかしもし、彼が、自分が以前からずっと住んでいた居所に帰ったのなら、到着した次の日から断食を始めなければならない。

 

23 質問   姦夫と姦婦の罰について

答え    最初の違反には9メスガル、二回目は18メスガル、三回目は36メスガルを支払うべきである。このように、その後に続く罰金はその前の罰金の二倍となっていく。1メスガルの重さは、バヤンの明示によれば19ナホドに等しい。

 

24 質問  狩猟に関して

答え     彼はこう述べ給う。彼は高遠なり。「鳥や動物を使って狩りをする場合」とあるが、他の手段、つまり、弓矢や、銃、および狩りに用いられる装置の様な手段も含む。しかしながら、もし罠や落とし穴が用いられ、それにかかった獲物をしとめる前に獲物が死んだ場合、それを食すことは違法である。

 

25 質問   巡礼について

答え    二つの聖なる家の一つに巡礼することは義務である。しかし、どちらの家に行くかは巡礼者が決めることである。

 

26 質問   結納金について

答え   結納金に関して、最低の基準で満足せよという意味は、銀19メスガルである。

 

27 質問   次の聖句に関して。「しかし、夫の死、あるいは殺害の知らせが届き、・・」

答え  「定められた月数」の間待つということは、9ヵ月を意味する。

 

28 質問  教師が受け取る遺産の分け前に関する再度の質問について

答え  もしその教師が死亡していた場合、その教師の分け前の三分の一は正義院に帰属し、残りの三分の二は、教師の子孫にではなく、遺産を遺した故人の子孫に分配される。

 

29 質問  巡礼に関する再度の質問

答え  男子に課せられている聖なる家への巡礼というのは、バグダッドにある最も偉大なる家と、シラーズにある最初の点の家の双方を意味する。これらの家のどちらかに巡礼することで十分である。従って、自分の住んでいる場所から近い方の家に巡礼することができる。

 

30 質問  次の句に関して。「女中を雇いたい者は、礼節をもってそうすることができる。」

答え  これは、老若を問わず、賃金と引き換えになされるすべての召し使いの仕事と同様の奉公を指す。その女性は自分の好きな時に自由に夫を選ぶことができる。女性を買い取ることや、男性が二人を超えて妻をもつことは禁じられている。

 

31 質問  次の聖句について。「妻に三度離婚を言い渡したときの過去の時代の慣習について、主は、…禁止された。」

答え  これは、そう云った女性が前夫と再婚する場合は、その前に他の男性と結婚することを必要とした以前の法に言及するものである。この慣習はアグダスの書で禁じられた。

 

32 質問   対をなす聖なる地点にある二つの家と、玉座が確立されたその他の場所の保全修復に関して

答え    二つの家というのは、最も偉大なる家と最初の点なる御方の家を意味する。その他の場所に関しては、その地域の人々は、玉座が確立されたすべての家、またはその内の一つを保存するかどうかを選択することができる。

 

33 質問  教師の遺産相続について再度出された質問

答え    もし教師がバハの人々に属さなければ、その人は相続することはできない。数人の教師がいる場合、分け前はそれらの教師全員に均等に分配されねばならない。もし教師が死亡していれば、彼の子孫がその分け前を相続するということはなく、その三分の二は財産の持ち主の子どもたちに帰属し、残り三分の二は正義院に帰属する。

 

34 質問  男の子孫に占有的に割り当てられる住宅に関して

答え  もし幾つかの住宅があれば、それらの住宅のうちで最も立派で最も質の高いものを意味する。残りの住宅は他の財産と同じく相続人全員の間で分配される。どの相続人の部類であろうと、相続人が神の信教の外にいる場合は、その者は存在しないものと見なされ、相続はできない。

 

35 質問   ノー・ルーズに関して

答え    ノー・ルーズの祝宴は太陽が牡羊座の宮に入った日(北半球で春分の日)に行う。たとえその現象が日没前に1分だけであったとしても、それが起こった日に祝う。

 

36 質問   対をなす誕生日のいずれかの記念日、またはバブの宣言の日の記念日が断食の期間に当たる時はどうすべきか。

答え    対をなす誕生日、またはバブの宣言、を祝う祭典が断食の月に当たる時は、それらの祝祭日には断食を行う必要はない。

 

37 質問  遺産相続を決定する聖なる法令では、故人の住居と衣服は男の子孫に割り当てられている。この規定は父親の所有物のみを指すのか、母親の所有物にも適用されるのか。

答え  母親の使った衣服は娘たちの間で均等に分けられるが、所有地、宝石、および未使用の衣服を含む彼女の残りの財産は、アグタスの書に述べられている方法ですべての相続人に分配されるべきである。しかし、故人に娘がいない場合、彼女の全財産は聖なる書のなかで男性のために指示されている方法で分配されなければならない。

 

38 質問  離婚は、一年の忍耐の期間を置くが、その離婚について、二人のうち一人だけが和解したい場合はどうすべきか。

答え    アグダスの書に述べられた法令によれば、双方ともに満足でなければならない。双方ともに望むのでなければ融和はありえない。

 

39 質問   結納金に関して。もし新郎が全額を支払えない場合、その代わりに可能な時に払うという理解のもとに、結婚式の時に約束手形を正式に新婦に渡す場合はどうなるか。

答え  権威の源泉なる御方は、このやり方の採用を許可し給うた。

 

40 質問  一年の忍耐の期間中に愛情の芳香が蘇ったが、そのあと悪感情が起こったとする。このように夫婦が忍耐の期間を通して愛情と嫌悪の間でぐらつき、一年が悪感情で終わったとすると離婚は成立するか。

答え  いつであれ、悪感情が起こる毎にその日に一年の忍耐の期間が始まり、それから一年間が経過しなければならない。

 

41 質問  故人の住居と衣服は男の子孫に割り当てられているが、女の子孫とその他の相続人には割り当てられていない。もし故人が男の子孫を残さなかった場合はどうすべきか。

答え  彼は述べ給う。彼は高遠なり。「故人が子孫を残さなかった場合は、その分け前は正義院に帰属する…」。この聖句に従って、故人の住居と衣服は正義院に帰属する。

 

42 質問  ホゴゴラの規定がアグダスの書で啓示されている。住居に備え付けの備品や必要な家財道具はホグクの対象になる不動産に含むのか、それとも別にするのか。

答え  ペルシャ語で啓示された法で、われは、この最も強大な宗教制において、住居と必要な家具を除外すると規定した。

 

43 質問   未成年の女子の婚約に関して

答え  この習わしは、権威の源泉なる御方により違法であると宣告された。また、結婚式の95日よりも前に結婚を発表することも違法である。

 

44 質問   人が、たとえば一〇〇トマン持っていて、これに対してホグクを払ったが、その後、取引きの不成功でその半分を失った、しかし、その後の商売でお金がホグクを支払うほどに儲かった場合、その人はホグクを支払うべきか。

答え   そのような場合、ホグクは払わない。

 

45 質問   ホグクを払った後に、その同じ一〇〇トマンを完全に失ってしまったが、その後、商売や取引きでまたお金を取り返すことができた場合、ホグクは再度払われるべきか。

答え   このような場合も同様、ホグクを支払う必要はない。

 

46 質問  「神は、結婚を汝らのために規定された」という聖句に関して。この規定は義務なのか。

答え  義務ではない。

 

47 質問  ある男性がある女性を処女と信じて結婚し、結納金を支払った。しかし、床入りの時に彼女が処女でないことが明らかになった。費用と結納金は取り返すことができるか。また、もし結婚が処女であることを条件とした場合、その条件が満たされないときは、その条件のもとでなされたことは無効となるか。

答え  そのような場合、費用と結納金は取り返してもよい。条件が満たされなかったことで、条件付きでなされたことは無効となる。しかしながら、そのことを隠し、許すことは神の目には恵み深い報酬に値することである。

 

48 質問  「フィーストは汝らに課せられた…」とあるが、これは義務なのか。

答え  義務ではない。

 

49 質問  姦通、男色、窃盗に対する罰金と、その度合いに関して

答え   これらの罰金の度合いを定めるのは正義院である。

 

50 質問  自分の親類との結婚は合法か、否かに関して

答え  これらの事柄も同様に正義院の信託人たちにかかっている。

 

51 質問  洗浄についてこのように啓示されている。「洗浄用の水が見つからない者は、『最も純粋におわし、最も純粋にまします神の御名において』という言葉を五回繰り返せ」と。厳寒の時期や、顔や手に傷がある時にこの句を唱えることは許されるか。

答え  厳寒の時は温かい湯を使用してよい。もし、顔や手に傷があるとか、その他の理由で、つまり水の使用が害になるような疼痛があるときは、洗浄の代りに定められた句を唱えることができる。

 

52 質問  現象の祈りの代りに啓示された句を唱えることは義務であるか。

答え   義務ではない。

 

53 質問 遺産相続に関して。同じ両親をもつ兄弟と姉妹がいる場合、異父兄弟と姉妹もまた分け前を受け取れるか。

答え  分け前はない。

 

54 質問  彼は述べ給う。彼は高遠なり。「子どもを残して先立った息子の父親が故人となった場合、この子ども達は神の聖典に規定されている父親の取り分を相続する…」とあるが、娘が父親の存命中に死亡した場合はどうすればよいか。

答え  彼女の相続分は、アクダスの書の規定にしたがって、7つの部類の相続人に分配される。

 

55 質問  故人が女性の場合、妻に行くべき遺産の分け前はだれに配分されるか。

答え   それは、夫に配分される。

 

56 質問   五枚と定められている遺体を包む布に関して。五枚というのは、それまで伝統的に用いられてきた、身体に重ねて巻きつける五枚の布であるのか、それとも五枚の全身大の布のことであるのか。

答え  布を五枚使用するということである。

 

57 質問   啓示されたある句の間にある相違について

答え  書簡の多くは啓示された後、校正されることも改められることもなく、そのままの形で送付されることがあった。そのため、聖なる御方の命に応じて、それらの書簡はその御方の面前でふたたび読み上げられた。そして、大業に反対する者らの揚げ足取りの機先を制するために、人びとが慣習として用いている文法にしたがって直された。もう一つの理由は、先駆者││彼以外のすべての魂が彼のために捧げられんことを││によって始められた新しい形式は、文法の規則からはなれてかなり自由に書かれていたからである。それゆえ、聖なる句は、理解しやすく、表現を簡潔にするために、大部分、現代の用法にしたがって啓示された。

 

58 質問  次の祝福された句に関して。「旅行中に、もし汝ら安全な場所に止って休むならば…、捧げていない必須の祈りに対して、一度ひれ伏し、…」。この必須の祈りの償いは、安全でない状況の時のものなのか、それとも旅行中は必須の祈りを完全に中止して、その代りに平伏するのか。

答え  必須の祈りの時間がきても、安全でないため祈りができないときは、安全な環境に達したとき唱えることができなかった各必須の祈りの代りにひれ伏すべきである。最後の平伏の後、足を組んで座り、指定された句を読まなければならない。もし、安全な場所があれば、必須の祈りは旅行中でも止めてはなられない。

 

59 質間   旅行者が止まり、休んだ後、必須の祈りの時間になったとすれば、その人は必須の祈りをすべきか、それともその代わりにひれ伏すべきか。

答え   安全でない状況にいるとき以外は必須の祈りの省略は許されない。

 

60 質問   必須の祈りを逸したため、何回か平伏が必要な場合、償いの平伏毎に定められた句を繰り返さなければならないのか。

答え  必要な回数平伏し、最後に、定められた句を唱えることで十分である。何度か平伏するときは、その度に句を繰り返す必要はない。

 

61 質問   家で必須の祈りを省略した場合、平伏で償われるべきか。

答え    以前出された質問への答えに次のように書かれた。「この規定は、旅をしているときにも、家にいるときにもあてはめられる。」

 

62 質問   他の目的で洗浄をした。そして、必須の祈りの時間がきたときはその洗浄で十分か、それとも再度、洗浄すべきか。

答え  その洗浄で十分である。ふたたび洗浄する必要はない。

 

63 質間  アグダスの書では、正午と、午前、午後に唱えるべき9つのラカーから成る必須の祈りが課せられている。しかし、必須の祈りの書簡(現在用いられている三つの必須の祈りが含まれている)はこれと異なるように見える。

答え  アグダスの書に啓示されたものは別の必須の祈りに関するものである。その必須の祈りを含め、アグダスの書の法令のいくつかは、何年か前、英知ある理由で、別々に記録され、他の聖なる文献と共に別のところへ送られた。保存と保護のためにそうされたのであった。その後、これらの三つの必須の祈りが啓示された。

 

64 質間   時間を決めるのに、置時計や腕時計に頼ることは許されるか。

答え  置時計や腕時計に頼ることは許される。

 

 

65 質間   必須の祈りの書簡には三つの祈りが啓示されている。これら三つの全部をする必要があるのか。

答え   これら三つのうち一つを捧げることが課せられている。どの祈りであっても十分である。

 

66 質問  朝の祈りのための洗浄は、正午の祈りにもまだ効力を有するか。また同様に、正午に行なわれた洗浄は夕方もまだ効力を有するか。

答え   洗浄は必須の祈りのためにするもので、それに関連しているため、祈り毎にしなければならない。

 

67 質問  長い必須の祈りのとき、起立して、「神に顔を向ける」よう求められている。これは、ゲブレ(崇拝の点)に

顔を向ける必要はないことを示しているようであるが、そうなのか。

答え   ゲブレ(崇拝の点)を意味する。

 

68 質問  「毎朝、毎夕、神の句を唱えよ」という聖句に関して。

答え  それは、聖なる言葉の天から下されたものすべてを意味する。第一に必要なことは、神の言葉を読む、聖別された人びとの熱望と愛である。喜びと輝きをもって一つの句を読むこと、または一つの言葉だけを読むことでも、沢山の書を通読するより望ましいことである。

 

69 質問   ある人が遺書を作成するとき、財産──ホゴゴラの支払と負債の決済に当てられた後の残りの財産──の一部を慈善事業に割り当ててもよいか。それとも、自分の残りの財産が、神に定められた方法で、指定された部類の相続人たちの間で分配されるようにするため、葬儀と埋葬の費用を賄うに十分な額を割り当てることに限定されるのか。

答え     人は自分の財産を完全に管轄する権利をもつ。もし、人がホゴゴラを納めることができ、負債がなければ、遺書の中に記録されたことすべてと、それに含まれる宣言や公言はすべて容認されるであろう。まことに、神は、人に与え給うたものをその者の望む通りの方法で処分することを許し給うた。

 

70 質問  埋葬用の指輪の使用は大人だけに課せられたものか、それとも未成年者にも同様に課せられたものか。

答え   大人だけが用いるものである。死者のための祈りも同じく、大人のためである。

 

71 質問  ある人が「高尚の月」以外の時期に断食を望むなら、それは許されるか。またもし、人がその断食に誓い、または願をかけるならば、それは有効、かつ、受け入れられるか。

答え  断食の法令はすでに啓示された通りである。しかし、もしだれかが望みの成就、あるいはその他の目的を達成するために、神に断食を捧げるならば、以前も現在もそれは許されることである。とは言え、誓いや願いは人類の利益になるような目的に向けられることを神は望み給う。神の栄光は高遠なり。

 

72 質問   住宅と個人の衣服について再び質間が出された。男性の子孫がいない場合、これらは正義院に帰属するのか、それとも残りの財産と同じく配分されるのか。

答え    住宅と個人の衣服の三分の二は女性の子孫に渡され、三分の一は、神が人びとの宝庫とされた正義院に渡される。

 

73 質問   一年の忍耐期間を終えたとき、夫が離婚を拒否する場合、妻はどういう手段をとるべきか。

答え  その期間が終われば離婚が成立する。しかしながら、その期間の始めと終わりを証言する者が必要である。必要が生じたとき彼らに証言を求めることができるためである。

 

74 質問   老年の定義に関して。

答え   アラブ人にとっては、極端に年老いたことを指すが、バハの人びとにとっては70歳からである。

 

75 質問   徒歩で旅行する人の断食免除の適用範囲に関して。

答え   限度は二時間である。もし、それを上回れば、断食を中断することが許される。

 

76 質問   断食の月に重労働にたずさわる人の断食の遵守について。

答え    その人は断食を免じられる。しかしながら、神の法と断食の高遠なる地位に敬意を示すために、食事は質素に、内々にすることが最も称賛され、ふさわしいことである。

 

77 質問   最大名を回繰り返すとき、必須の祈りのために行なった洗浄で十分であるか。

答え  再度の洗浄は必要ではない。

 

78 質問  夫が妻のために買った衣服や宝石に関して。これらは、彼の死後は、彼の相続人たちの間で分配されるのか、それとも妻個人のものであるのか。

答え  使用した衣服以外のものは何であれ、宝石であろうがその他のものであろうが、夫に属する。ただし、妻への贈り物であることが証明されているものは別である。

 

79 質問   ある事柄の証明が二人の公正なる証人たちの証言に依存するときの公正の基準に関して。

答え    公正の基準は、人々の間で評判がよいことである。すべての神のしもべらの証言は、その人の信仰や信条が何であれ、神の玉座の面前に受け入れられるのである。

 

80 質問  もし、故人がホゴゴラの義務を果たすことも、他の負債を払うこともしていない場合、それは住宅、その人の衣服、残りの財産から均等に差し引いて支払われるべきか。それとも、住宅と個人の衣服は男性の子孫に取っておき、負債は残りの財産から決済されなければならないのであろうか。また、もし財産の残りがその目的を満たすに不十分な場合、負債はどのように支払われるべきか。

答え  未払いの負債やホゴゴラの支払いは、残りの財産から決済されるべきであるが、もしれだけで不十分な場合は、不足額は彼の住宅と衣服から支払わなければならない。

 

81 質問   第三の必須の祈りは座ったままで捧げられるべきか、もしくは起立して捧げられるべきか。

答え  謙虚な畏敬の念をもって起立して捧げる方が好ましく、またよりふさわしい。

 

82 質問   第一の必須の祈りに関して、「謙虚さと熱烈な崇敬の状態にあるときはいつでも、行なうこと」とあるが、これは二十四時間に一回行なうのか、それとももっと頻繁に行なうべきか。

答え   二十四時間に一度で十分である。これこそ聖なる命令の舌によって述べられたことである。

 

83 質問   朝、正午および夕方の定義に関して。

答え    それは日の出、正午、日の入りのことである。許される必須の祈りの時間は朝から正午まで、正午から日没まで、そして日没からその後二時間までの間である。権威は、二つの御名を携えてきた御方、神の手中にある。

 

84 質問   信者が信者ではない者と結婚することは許されるか。

答え  嫁に取ることも、嫁に出すことも許される。主は、恵み深さと恩寵の玉座に昇られたとき、このように定め給うた。

 

85 質問    死者のための祈りは、埋葬に先行すべきか、それともその後に捧げられるべきか。また、ゲブレ(崇拝の点)に向く必要があるか。

答え この祈りの詠唱は埋葬に先行すべきである。またゲブレ(崇拝の点)についてはこうである。「どの方向に顔を向けても、神の御顔がある。」[コーラン2章  節]

 

86 質問  正午は、必須の祈りの二つ──短い正午の祈り、および朝と正午と夕方に捧げられる祈り──を詠唱する時問であるが、この場合、二回洗浄をする必要があるか、それとも一回で十分か。

答え  洗浄の繰り返しは必要ない。

 

87 質問   村の住人たちの結納金は銀であるが、それに関して。それは新婦が村の住人である場合か、それとも新郎の方であるのか、または双方の場合か。また、一方が都市の住人で、もう一方が村の住人の場合はどうすべきか。

答え  結納金は新郎の住所で決められる。もし、彼が都市の住人ならば、結納金は金で、村の住人なら銀である。

 

88 質問    人が都市の住人であるか、または村の住人であるかを決める基準は何か。もし、都市の住人が村に住み、あるいは村の住人が永住する意図をもって都市に住むならば、どう決めたらよいか。出生の場所が決定要因となるのか。

答え  基準は永住の場所であり、それがどこであるかで、聖なる書にある指示に従わなければならない。

 

89 質問   聖なる書簡の中に、ある人が金19メスガルに相当するものを取得したら、その者はこの額についての神の権利を支払うべきと規定されているが、この19メスガルのうちいくらを払うべきか説明してもらいたい。

答え    一〇〇の内の19が神の規定で設定されている。計算はこの基本に立って行われる。それからその額の19が確定される。

 

90 質問   人の富が19を越えるとき、ホグクが再度払われるにはそれが更に19まで増えることが必要か。

答え   19の上に加えられたものはすべて、それが更に19に達するまでホグクの対象にはならない。

 

91 質問   清らかな水と、その水を使用されたものと見なす基準について。

答え   一カップまたは二、三カップ位の少量の水は、一回顔と手を洗えば使用済みの水と見なされる。しかし、一コール(約1.5立方メートル)、またはそれ以上の水は一回や二回の洗顔では変わらず、その使用に異論はない。ただし、三つの面(色、味、香り)の一つが変わっていたなら、たとえぱ、変色していた場合など、それは使用された水と見なされる。

 

92 質問   さまざまな質問についてのペルシャ語の論説で、成人の年齢は15歳と定められている。結婚も同様に成人の年齢に達するのが条件であるのか、またはその年齢前に結婚できるか。

答え  神の書には、本人たち相互の承諾が必要とされており、成人に達する前は、本人たちの承諾も不承諾もしっかりとは確認できないので、したがって、結婚は成人に達することを条件とし、その年齢前の結婚は許されない。

 

93 質問  病人の断食と必須の祈りに関して。

答え     まことに、われは述べるが、必須の祈りと断食は神の目に高遠なる地位を占めるものである。しかしながら、それらの徳が実現されるのは健康な状態にあるときである。不健康のときにそれらの義務を守ることは許されない。これがつねに主──彼の栄光は高遠なり──の命令であった。これに留意し、神の教えを守る男女に祝福あれ。聖句を下し給うた御方、疑いの余地のない証拠の啓示者である神にすべての賛美あれ。

94 質問  モスク、教会、寺院に関して

答え    モスク、教会、寺院のように、唯一真なる神の礼拝のために建造されたものは何であれ、神の御名を記念する以外の目的で使用してはならない。これは神の法令であり、それに違反する者はまことに罪を犯した者である。建造者には害はない。なぜなら、彼は神のためにその行為をし、公正なる報酬を受け取った。そして、今後も受け取り続けるであろう。

 

95 質問  仕事や職業を行うために必要な商売の場所の装備品に関して。それはホゴゴラの対象であるか、それともそれは家財道具として同じ方法で処理されるか。

答え  それらは家財道具と同様に処理される。

 

96 質問  他人から預かった財産を、価値の低落、または損失から守るために、現金、またはその他の資産と交換することに関して。

答え  価値の低落、または損失から守るために、預かった財産の交換に関する文書での質問について述べると、そのような交換は、代りになるものの価値が同等であるという条件のもとで容認される。まことに汝らの主は解説者、全知者である。また彼はまことに、日の老いたる者である。

 

97 質問  冬と夏の期間の足の洗浄について

答え   夏、冬共に同じである。温湯が好ましいが、冷たい水でも構わない。

 

98 質問   離婚に関する更なる質問

答え    神──その栄光は永遠なり──は離婚を好まれないので、この問題に関しては何も啓示されていない。しかしながら、別居の始まりから一年が終わるまで、二人、またはそれ以上の人が証人として報告を受けていなければならない。もし最後まで和解がなければ離婚となる。このことは正義院の信託者から任命されたその市の宗教上の司法役員によって記録されなければならない。理解力を備えた心の持ち主が悲しまないよう、この手順に従うことは不可欠である。

 

99  質問  協議について

答え  最初に集まった人たちの間の協議が不一致に終わった場合、新しい人々が加えられ、その後に最大名の数、またはそれより少ないか、それを越える数の人々がくじで選ばれる。そこで新たに協議され、そこで出された結果はいかなるものであれ、それに従わねばならない。まだ不一致があるときは、再び同じ手順を繰り返し、多数決で決められる。まことに彼はお望みの者を正しい道に導き給う。

 

100  質問  遺産に関して

答え  遺産に関して、最初の点なる御方──彼の他のすべての人々の魂が彼のために捧げられんことを──が定めたことは十分満足のいくことである。生存している相続人は自分に配分された遺産の分け前を受け取り、その残りに関する報告書を最も高遠なる御方の宮居に提出せねばならない。彼は望みのままに定め給う。これに関して、ある法が神秘の国(アドリアノープル)で啓示された。それは、正義院が設立され、これに関する政令が発布される時が来るまで、相続人不在の遺産は現存する相続人に一時的に与えられるという法であった。しかしながら、古来の美と同じ年に移住した人たちの遺産はその者らの相続人に与えられた。これは彼らに授けられた神の恩寵である。

 

101  質間  発見された財宝について

答え  財宝が発見された時は、その三分の一の権利は発見者にあり、他の三分の二は正義院の紳士たちによってすべての人民の福利のために用いられるべきである。これは正義院の設立後に実施されるであろう。それまでは、各地域と領土在住の信頼できる人々に託されるであろう。まことに彼は、支配者、制定者、全知者、すべてに精通する御方である。

 

102  質間  利益を生み出さない不動産に対するホグクについて

答え  神の規定は、そこから何らの利益も上げることがない、収入をもたらさない不動産はホグクを払うには値しないということである。まことに彼は、統治者、寛大なる御方である。

 

103 質問  次の聖句に関して。「昼間や夜が長くなる地域では、時計やその他の、時間の経過を示す手段で祈りの時間を合せよ。…」

答え  この意味は、遠隔の地を意味する。しかしながら、このあたりの気候では、昼夜の長さは二、三時間違うだけである。従って、この規定は当てはまらない。

 

104  アバ・バディヘの書簡の中で、この聖句が啓示された。「まことにわれは、すべての息子に自分の父に仕えるように課した。」これこそは、われが聖なる書に述べた命令である。

 

105  また、もう一つの書簡で次の高遠なる言葉が啓示された。「おおモハメッドよ。日の老いたる者は、その御顔を汝に向け給うた。そして、汝のことを述べ、神の人々に彼らの子どもたちを教育するよう勧告された。父親が、永遠の王のペンによってアグダスの書に書かれたこの最も重要な命令を怠るならば、彼は父親としての権利を失い、神の面前で有罪と見なされるであろう。主の戒めを心に銘記し、それらにしっかりと縋る者は幸いである。まことに、神はしもべらに、彼らを助け、彼らの利益となり、彼らを神に近づけるようなものを課し給うのである。彼は制定者におわし、永遠なる御方である。

 

106  彼は神なり。彼は高遠におわし、尊厳と威力の主であり給う。予言者たちと、選ばれた方々はすべて、唯一真なる神──その栄光に賛美あれ──に、人間存在の木を高潔さと理解の活水で養育するように委任されてきた。それにより、人間の中から神がその内奥の本質に託し給うたものが現れるように。容易に見られるように、各々の木は何らかの果実を生み出し、実を結ばない木は燃やされるのみである。これらの聖なる教育者が語り、説いたことすべての目的は、人間の高遠なる地位を維持することであった。神の日に、神の教えをしっかりと握りしめ、その真実で基本的な法から逸脱しなかった者は幸いである。人間の生命の木に最もふさわしい果実は、信頼に値することと敬神、真実性と誠実である。しかし、神││彼に賛美と栄光あれ││の唯一性を認めることに次いで、何よりも重要なことは両親に対して示されるべき当然の権利を顧慮することである。この教えは神の書のすべてに述べられてきた。そして最も高遠なる者のペンによって再確認された。慈悲深き主がコーランに啓示されたことを考えよ。彼の言葉は高遠なり。「神を崇拝せよ。彼に対等者も類似者も結びつけるな。そして汝らの両親に親切と慈愛を示せ…」。両親に対する慈愛が、いかに唯一真なる神を認めることに結びついてきたかを見よ。真の英知と理解を付与された者ら、神が以前の聖典とこの比類なき驚くべき書簡に啓示されたことを見て、感知する者ら、読み、理解する者ら、守る者らは幸いである。

 

107  彼││その言葉は高遠なり││は書簡の一つにこう啓示された。そしてザカートに関して、われは同様に、汝らがコーランに啓示されたことに従うよう命じた。