隠されたる言葉(ペルシャ編)

かくされたる言葉

「かくされたる言葉」は聖なる神秘の宝庫である。
汝らがその内容について熟考する時、神秘の扉が開かれよう。
アブドル・バハ

ペ ル シ ャ 編

言葉の主、強大なる者の名において

一 おお汝ら知る心と聞く耳を持つ人々よ!

最愛なる者の第一の呼びかけはこれである。おお神秘なる小夜鳥よ。心霊のバラ園以外 に住まうな。おお愛のソロモンの使者よ。最愛なる者のシバ以外に隠れ場を求むるな。おお不滅の不死鳥よ。誠実の山以外に住まうな。汝もし汝の魂の翼に乗り 無限の領土に舞い上がり、汝の目的を達せんことを求むるなら、かしここそ汝の住処である。

二 おお心霊の子よ!

鳥は巣を求め、小夜鳥はバラの魅力を求む。しかるに人々の心の鳥は、儚ない塵に満足して、そ の永遠の巣より遠くさまよい出で、無思慮の泥沼の方へ視線を転じ、神の御前に至る栄光を奪われている。ああ、何と奇妙なことであり、哀れむべきことであろ うか。ただ一杯を口にせんがために彼らは天上のさかまく海より目を転じ、最も光り輝く地平線より遠い所に居残っている。

三 おお友よ!

汝の心の花園に愛のバラのみ植えよ。愛情と願望の小夜鳥から汝の手を放すな。正しき者との交わりを大切にせよ。されど邪まなる者とのすべての親交を避けよ。

四 おお正義の子よ!

愛する者が最愛なる者の国以外のどこへ行き得ようか。どの探求者が自分の心に欲するものから遠ざかって安息を見出すや。まことの愛人には融和こそ生 命であり、別離は死である。彼の胸には忍耐が欠けている。また心には平安がない。最愛なる者の住処に急ぐためには幾百千の生命も捨てるであろう。

五 おお塵埃の子よ!

われまことに汝に告ぐ。あらゆる人間のうち最も怠慢なるものは、無益なる論争をし、兄弟より自ら優らんことを望む者である。言あげよ、おお兄弟たちよ。言葉にあらずして、行いをもちて汝の飾りとせよ。

六 おお地の子よ!

まことにこれを知れ。少しでも妬みが残っている心は決してわが永遠の領土に達することを得ず。またわが聖なる王国から香り出づる神聖の甘き香をかぐこともできないであろう。

七 おお愛の子よ!

汝は天上の輝かしき丘と天上の愛の木よりただ一歩遠のいている。その一歩を踏み出せ。そして二歩目で不滅の領土に進み、永遠の館に入れ。かくて栄光のペンによりて啓示されたることに耳傾けよ。

八 おお栄光の子よ!

聖なる道に急ぎ、われと親交し得る天国に入れ。心霊もて汝の心を磨き浄め、最高なる者の宮廷に急げ。

九 おお儚き影よ!

疑いの低き段階を過ぎて、確信の崇高なる丘に登れ。真理の眼を開け。さらば汝明らけき美を見、かく叫ばん。「すべての創造者中最も卓越せる主の崇められんことを。」

十 おお欲望の子よ!

これに耳を傾けよ。朽つべき眼は決して永遠の美を認めないであろう。また生なき心は萎んだ花しか楽しまないであろう。何故なら似たるものは似たるものを求め、同類との交わりを好むが故に。

十 一 おお塵埃の子よ!

汝の眼を閉じよ。さらば汝わが美を見ん。汝の耳をふさげよ。さらば汝わが声の快き音調を聞かん。汝自身からすべての知識をなくせ。さらば汝わが叡知の分け前を受けん。富より汝自身を浄めよ。さらば汝わが永遠の財宝の海より永久の分け前を得ん。
汝の眼を閉じよとは、わが美以外のすべてに対してである。汝の耳をふさげとは、わが言葉以外のすべてに対してである。汝自身からすべての知識をなくせと は、わが叡知以外のすべてに対してである。かくて汝清き眼と、純粋なる心と、注意深き耳とをもちて、わが神聖なる宮廷に入ることを得ん。

十 二 おお二つの視覚を持つ者よ!

一方の目を閉じ他方の目を開け。一つはこの世界とその中にあるすべてに対して閉じ、他は最愛なる者の聖き美に対して開け。

十 三 おおわが子らよ!

わが恐るるは、汝ら天上の鳩のメロディを聞かず喪失の闇に再び陥り、バラの美を見ることなく水と土に帰することである。

十 四 おお友らよ!

消滅せねばならぬ美のために永遠の美を捨てるな。またこの滅ぶべき塵の世に愛着を持つな。

十 五 おお心霊の子よ!

聖なる小夜鳥が、もはや心奥の神秘を解き明かすことを止め、汝らすべてが天界のメロディと天上よりの声を奪われる時がやがて来る。

十 六 おお怠慢の真髄よ!

幾百千の不思議なる言葉は、一つの発言で語られ、また幾百千の隠されたる神秘は一つのメロディのうちに表されている。ああ、しかしそれを聞く耳はない。それを知る心もない。

十 七 おお仲間らよ!

超空間に通じる門は広く開いている。最愛なる者の住処は、愛する者の血で飾られている。しかも少数を除くすべてのものは、この天上の町からとり残されたままでいる。これら少数者の中にさえ純粋なる心と聖き霊を持つものは極めて僅かである。

十 八 おお汝ら最も高き楽園の住人たちよ!

神聖なる領土内の天上の楽園に近く、一つの新しき花園出現し、その周囲を高きにある領土の人 々と崇高なる楽園の不滅の住人たちが取り巻いていることを、確信の子らに宣布せよ。されば汝らその地位に到達し、アネモネの花より愛の神秘を解き明かし、 神聖にして究極なる英知の秘密をその永遠の木の実より学ぶよう努力せよ。そのうちに入りて住まう人々の目こそ慰められん。

十 九 おおわが友らよ!

神聖にして祝福されたる環境のもと、あの栄光に輝く楽園に植えられし生命の木の陰で、わが面 前に汝らすべてが集まりしあのまことの輝かしき朝を忘れしや。われこれら三つの最も神聖なる言葉を述べし時、汝らは畏れかしこまって聞いた。すなわち「お お友らよ。わが意志を措いて汝の意志を選ぶな。汝のためわが欲せざりしものを決して欲するな。世俗の欲望や欲求で汚された生命なき心もて、われに近づく な」。汝らもし汝らの魂を浄めさえすれば、汝らは今あの楽園とその周辺を思い出すであろうに。そしてわが言葉の真理は汝らすべてに明白とならん。

楽園の第五書簡の最も神聖なる八行目に彼は次のごとく宣う。

二 十 おお汝ら軽率の床に死人の如く横たわる人々よ!

多くの年月は過ぎ去り、汝らの貴重なる生命は、ほとんど終りに近づいている。しかし汝らから は清い呼吸の一息すらもわが宮廷には届いていない。誤信の海に身を沈めながらもなお、汝らの唇は神の唯一なる真の教えを信仰すると告白する。わが嫌うもの を汝らは愛した。またわが敵を汝らは友とした。されども汝らは、わが地上を得意になり自己満足して歩んでいる。わが大地が汝らに飽き飽きし、そこにあるす べてのものが汝らを避けていることに気づかない。もし汝ら目を開きさえするならば、まことにこの喜びよりも無数の悲しみを選ばん。またこの生命よりもむし ろ死を好ましく思わん。

二十一 おお浮動する塵埃よ!

われ汝と霊の交わりをなさんと欲す。されど汝はわれに信頼を置こうとはせず。汝の反逆の剣は 汝の希望の木を切り倒した。われは常に汝の傍らにいる。されど汝は常にわれより遠くにいる。われ汝のため不滅の栄光を選んだ。しかも汝は、汝自らのために 果てしなき恥辱を選んだ。間に合ううちに帰り来って汝の好機を失うな。

二十二 おお欲望の子よ!

知識あり知恵ある人々が、長い年月の間努力したが、いと栄光ある御方の面前に達することはで きなかった。彼らは神を求めて生涯を費した。しかもなお神の面影の美を見なかった。されど汝は何の努力もせずに汝の目的を果し、また探求することなしに汝 の追求の目的を達成した。されども汝は自我というべールに包まれたままであるので、汝の目は最愛なる者の美を見ず、汝の手は神の衣服の裾にも触れなかっ た。目を持つ汝らは見よ、そして不思議に思え。

二十三 おお愛の都の住人たちよ!

死の風は永遠の燭火を襲い、天上の青年の美は塵埃の闇に覆われている。愛の王中の王は暴虐な る者らによって虐待され、聖なる鳩は梟の爪に捕えられている。栄光の館の住人たちと天上の集いの人々は歎き悲しんでいる。しかし汝らは怠惰の国に安臥して 汝自らを真の友人たちの仲間と考えている。汝らの想像のいかに空しきことよ。

二十四 おお汝ら賢いという名を持つ愚者らよ!

汝ら内心は、わが羊の群を襲わんとする狼になりしに、何故羊飼の衣を着るや。汝らは曙に先だちて昇る星の如きものである。それは輝きて明るく見ゆれど、わが都の旅人らを導きて破滅の道に迷い入らせるものである。

二十五 おお汝ら外見は美しく、内面は汚れたる者たちよ!

汝らは透明なれど苦き水の如くである。それは外観は水晶の如く清く見ゆれど、聖なる分折者に より試される時は、その一滴さえも受け入れられぬものである。実際、太陽の光は塵埃の上にも鏡の上にも同様に注がれる。しかし星が地球と違うが如く、それ らは反射の程度において異なっている。否その相違は測り知れないほどである。

二十六 おお口先だけのわが友よ!

しばし熟考せよ。友と仇とが一つの心の中に住めるなどと汝かつて聞きしことありや。されば友が自身の家に入れるよう、その見知らぬ者を追い出せ。

二十七 おお塵埃の子よ!

天と地にあるすべてのものをわれ汝のために定めた。ただ人間の心は別である。それをわが美と 栄光の住処とした。しかも汝はわが家、わが住居を、われならぬ他の者に与えた。かくてわが神聖を顕示する者が、彼自身の住処を探し求むる時はいつも、そこ に見知らぬ者を見出し、宿るに家なく最愛なる者の聖所に急ぎ帰るのであった。しかもわれは汝の秘密を隠し、汝の恥になることを欲しなかった。

二十八 おお欲望の真髄よ!

超空間の国から、われ幾朝も汝の住処に向かった。そして安楽の床にあって、われならぬ他の者たちの応対に忙しい汝を見た。それ故われは心霊の閃光の如く、天の栄光の領域に帰った。されどもわれ、わが天上の隠れ家にて、それを聖なる軍勢に囁かなかった。

二十九 おお恩恵の子よ!

無の荒野より、わが命令の粘土もてわれ汝を出現させた。そして汝を訓練するために、存在する あらゆる原子と、あらゆる創造物の本質を定めた。かくて汝が、汝の母の胎内より生れ出づる前に、われ汝のために、輝く乳を出す二つの泉と、汝を見守るため に目を、汝を愛するために心を前もって定めておいた。わが慈悲心から、わが慈愛の木蔭でわれ汝を育て、わが恵と好意の精髄もて汝を守護した。すべてこれら のことは、汝をして、わが永遠の領土に達せしめ、わが見えざる贈与を受ける資格を持たしめるためである。
しかもなお汝は軽率のままであった。そして汝青年に達せる時、すべてのわが贈物を無視し、すべてを忘れ去るほどに自らの妄想に没頭し、われという友の正門に背を向けてわが敵の邸に住むことを選んだ。

三 十 おおこの世の奴隷よ!

幾朝も、わが慈悲の微風が汝の上を吹き渡った。そして軽率の床にぐっすり眠りこけている汝を見出した。そこで汝の有様を悲しみながら、それはもと来たところへ帰って行った。

三十一 おお地の子よ!

汝われを得んと欲せば、われ以外の誰をも求むるな。また汝わが美を見つめんと欲せば、世界とその中にあるすべてのものに汝の目を閉じよ。わが意志とわれ以外のものの意志とは、火と水の如く一つの心の中に住むことを得ざれば。

三十二 おお助けられた見知らぬ者よ!

汝の心の燭火は、わが権威の手で灯されている。自我と情欲の逆風もてそれを消すな。汝のあらゆる病を癒すものは、われを記憶することにある。それを忘れるな。わが愛を汝の宝となし、汝の目や生命そのものの如くそれを慈しめ。

三十三 おおわが兄弟よ!

わが蜜の如き舌より発する楽しき言葉を聞け。甘き水を出すわが唇から聖なる神秘の流を飲め。わが神聖なる叡知の種を汝の心の清き土に蒔き、確信の水をそれに注げ。さればわが知恵と叡知のヒヤシンスは、汝の心の聖なる都にあざやかに青々と萌え出でん。

三十四 おおわが楽園の住人たちよ!

慈悲の手もて、われ汝らの愛と友情の若木を天国の聖なる花園に植え、わが優しき恵の雨を注いだ。その果実の実る時が来ている今、それを守り、欲望と情欲の炎もて焼き尽くされることなきよう努めよ。

三十五 おおわが友らよ!

汝ら誤りの灯を消せ。そして汝らの心の中に聖なる導きの永遠に消ゆることなき灯火を燃やせ。やがて人類の試験者らは、最愛なる者の聖き面前において、最も純粋なる美徳と汚れなき神聖なる行い以外は、何も受けつけぬであろう。

三十六 おお塵埃の子よ!

賢者とは聞く者を得ざれば語らぬ人々のことである。あたかも酌取りが、求むる人を見出すまで は盃を差し出さず、愛するものが愛さるるものの美を見るまでは、その心の底から愛を叫ばないのと同じように。それ故知恵と叡知の種を心の清き土に蒔き、そ れを聖なる叡知のヒヤシンスが、泥や土からでなく、心の畑より萌え出づる時まで隠しておけ。

書簡の一行目にそれは記されており、神の礼拝堂の聖域内に隠されているものは次のことである。

三十七 おおわが僕よ!

消滅するもののために永遠の領土を見捨てるな。また世俗の欲望のために天上の主権を放棄するな。これは慈悲深き者のペンの源泉より流れ出づる永遠の生命の川である。それを飲む人々に恵あれ。

三十八 おお心霊の子よ!

汝の籠をずたずたに破れ。そして愛の不死鳥の如く聖なる天空に舞い上がれ。汝自身を捨てよ。そしてあふるる慈悲の心もて、天上の聖なる領土に住め。

三十九 おお塵埃の子孫よ!

過ぎ行く一日の安らかさに満足して、永遠の安息を奪われるな。永遠の喜びの花園を、死すべき世界の塵の山と交換するな。汝の牢獄から起ちて、天上の輝かしき牧場へ昇れ。また汝の死すべき鳥籠より、超空間の楽園に飛び立て。

四 十 おおわが僕よ!

この世の束縛より自由になれ。また自我の牢獄より汝の魂を解き放て。汝の好機を掴め。それは再び汝を訪わざれば。

四十一 おおわが侍女の子よ!

汝不滅の主権を見れば、儚なきこの世から逃がれんと努めるであろう。されど汝から前者をかくし後者を示してあることは、心の清き者のみが理解し得る神秘である。

四十二 おおわが僕よ!

悪意より汝の心を清めよ。また妬みを持たず、天の聖なる宮廷に入れ。

四十三 おおわが友らよ!

汝ら友の好み給う道を歩め。そして彼の喜びは彼の創造物の喜びの中にあることを知れ。すなわ ち何人も友の好まぬ時に彼の家に入ってはならぬ。またその財宝に手を触れることもせず自己の意志を友の意志より優先させることもせず、また決して友より有 利ならんことを求めてはならぬ。これを熟考せよ。汝ら識見ある人々よ。

四十四 おおわが玉座の伴侶よ!

悪しきことを聞くな。また悪しきものを見るな。汝自らを卑しくするな。歎き悲しむな。悪しき ことを語るな。さればそれが汝に語られることもなし。他人の過ちを誇張して語るな。されば汝自らの過ちも大げさに思われず。何人の屈辱をも望むな。されば 汝自らの屈辱もさらされまい。かくて汝儚き一瞬よりも短き汝の生涯の日々を、汚れなき心と清き心情と純潔なる思考と、また汝の聖められたる性格とをもちて 生きよ。されば汝自由に満足してこの死すべき形骸を放棄し、神秘なる楽園に行き、永遠に不滅なる王国に永久に住むを得ん。

四十五 ああ、ああ、俗界の欲望を愛する者らよ!

稲妻の如く速やかに汝らは最愛なる者の傍らを過ぎ去った。そして汝らの心は悪魔のようなる幻 想を切望した。汝らは空しい幻影の前に跪き、それを真実と呼んでいる。汝らは目を茨棘の方に向けて、それを花と呼んでいる。一息といえども汝らは清い呼吸 をしたことがない。また汝らの心の牧場から世俗超脱の微風が吹いて来たこともない。汝らは最愛なる者の愛の忠言を風に飛ばせた。またそれを汝らの心の書簡 から完全に抹消した。かくて野の獣の如く、汝らは欲望と情欲の牧場の中に住まっている。

四十六 おお信仰の道の兄弟らよ!

何故に汝らは最愛なる者について語ることを怠り、彼の聖なる面前に近付くことを避けるや。美 の真髄は類なき楼閣の中なる栄光の玉座の上にある。しかるに汝らは愚かしき争いに没頭している。神聖なる甘き香は漂い、恩恵のそよ風は吹いている。しかも 汝らは皆それを奪われ痛ましくも悩んでいる。ああ悲しきは汝らよ。そして汝らと道を共にし、汝らの後に続く者らよ。

四十七 おお欲望の子らよ!

虚栄の衣を脱げ。傲慢の衣服を捨てよ。

紅玉の書の中に記載されている最も神聖なる節の三行目に、見えざる者のペンによって次の如く示されている。

四十八 おお兄弟らよ!

互に忍耐し合え。また下界のものに愛情を注ぐな。汝の栄誉を誇るな。また屈辱を恥ずるな。わが美にかけて誓う。われ塵埃よりすべてのものを創った。またわれすべてのものを再び塵埃に帰せしめん。

四十九 おお塵埃の子らよ!

富める者らに、貧しき者らの真夜中の嘆息を語れ。無思慮が彼らを破滅の道に導かざるため、また富の木より彼らを奪わざるために。施与と寛大とはわが属性である。わが美徳をもって自己を飾るものは幸いである。

五 十 おお激情の真髄よ!

すべての貪欲を捨てて満ち足りることを求めよ。貪欲なるものは常に奪われ、満足を知るものは常に愛され称讃されん。

五十一 おおわが侍女の子よ!

貧困を思い煩うな。富を信頼するな。貧困には富が次ぎ、富には貧困が次ぐものなれば。されど 神以外のすべてにおいて貧しくあることは驚くべき賜物である。その価値を軽視するな。結局は、それは汝を神で富ましむれば。かくて汝「まことに汝らは貧者 なり」という言葉の意味を知り、また「神こそすべての所有者なり」という聖語は、まことの朝の如く、愛する者の心の地平線から堂々と輝き出で、富の玉座の 上にしっかりと留まるであろう。

五十二 おお怠慢と欲情の子らよ!

汝らはわが家に、わが敵が侵入するのを許し、わが友を追出した。汝らわれならぬ他の者の愛を 汝の心の中に安置したれば。友の言うことに耳を傾け、彼の楽園に向かえ。自らの利益に汲々たる世俗の友らは互に愛し合うように見える。されどまことの友は 汝ら自身のために汝らを愛して来たし、また愛している。まことに彼は、汝らを導くために限りなき苦しみを受けて来た。かかる友に不実であるな。否むしろ彼 のもとへ急げ。これこそすべての名前の主のペンの地平線上に明け初めた真理と誠実の言葉の昼の星である。汝の耳を開け。されば汝ら危急の時の救助者にして 自存する神の言葉を聞き得ん。

五十三 おお汝ら消滅すべき富に傲る者らよ!

まことに汝ら、富は求むる者と、その者の欲求との間、また愛する者と愛される者との間の強大 な障壁であることを知れ。富める者は、極く少数の外は決して彼のい給う宮廷にも達せず、また満足と服従の都にも入れないであろう。自分の富によって永遠の 王国に入ることを邪魔されず、またそれによって不滅の領土を奪われない富者は幸いである。最大の御名にかけて誓う。かかる富者の光輝は、太陽が地上の人々 を照らすが如く、天上の人々を照らすであろう。

五十四 おお汝ら地上の富者よ!

汝らの中にいる貧者はわれが汝らに託した者らである。われより託された者を守れ。そして汝ら自身の安楽にのみ熱中するな。

五十五 おお激情の子よ!

富の汚れより汝自身を清めよ。また全く安らかに貧の国に進め。かくて世俗超脱の源泉より不滅の生の美酒を飲まん。

五十六 おおわが子よ!

不信心なる者との交際は悲しみを増す。されど正しき者との親交は心の錆を除く。神との親交を求むる者は、神の愛する人々と交わり、また神の言葉を傾聴せんと欲する者は神の選べし人々の言葉に耳を傾けよ。

五十七 おお塵埃の子よ!

注意せよ。不信心なる者と共に歩むな。また彼と交わらんことを求むるな。かかる交際は、心の輝きを地獄の火に変えるものなれば。

五十八 おおわが侍女の子よ!

汝聖霊の恵を求むるならば、正しき者と交われ。彼こそは不死の酌取りの手より、永遠の生命の盃を飲んだ者であり、まことの朝の如く、死者の心をも生き返らせ、それを照らすものなれば。

五十九 おお軽率なる者らよ!

心の秘密が隠されていると思うな。否、むしろそれらは確かに明瞭なる字もて刻まれ、神の御前に公然と現わされていることを知れ。

六 十 おお友らよ!

まことにわれは言う。汝らが心の中に何を包み隠そうとも、われには白日の下にさらすが如くあからさまに分っている。しかもそれが隠されてあることは、わが慈悲と恩恵の故であり、汝の功績によるものではない。

六十一 おお人の子よ!

われわが慈悲の底知れぬ海より、一滴の水をこの世界の人々の上に注いだ。されど、誰もそれを 顧みるものはなかった。それはすべての人々が天上の統合の美酒から不潔なる腐った酒粕の方へ顔を向け、死の盃に満足して、不滅の美の聖盃を捨てたためであ る。彼らは何と下劣なことに満足していることか。

六十二 おお塵埃の子よ!

永遠不滅の最愛なる者の類なき美酒から汝の目をそらすな。そして不潔なる朽つべき酒粕に汝の目を開けるな。聖なる酌取りの手より不滅の生命 の聖盃を取れ。さればすべての知恵が汝のものとならん。また見えざる領土より不思議なる呼び声を聞くを得ん。大声に叫べ。汝ら志の低き者らよ。汝ら何故 に、わが聖なる不滅の美酒より目をそらせて、儚なき水の方に向うや。

六十三 おお汝ら世界の人々よ!

まことに不慮の災難が汝を追い、悲しき報いが汝を待伏せしていることを知れ。汝のなしたる行動が、わが目より消されていると思うな。わが美にかけて誓う。汝らのなせることすべてを、わがペンは橄欖石の書に、明らかなる文字もて刻みしことを。

六十四 おお地上の圧制者らよ!

圧制より汝らの手を引け。われ如何なる者の不正も許さじと誓いたれば。これわが保管する書に変更し得ぬものとして定め、わが栄光の封印もて閉じたる聖約である。

六十五 おお反逆者らよ!

わが寛容は汝らを大胆にし、わが長き忍苦は汝らを怠慢にした。かくて汝らは激情の火の馬に拍車をあて、破滅へ導く危険な道に飛び出した。汝らわれを不注意にして気付かぬと思いしや。

六十六 おお移住者らよ!

舌はわれを語るために、わが創りしものである。悪口をもってそれを汚すな。汝ら自我の火によって襲われた時は汝ら自身の過ちを思い出し、わが創りし者らの過ちを思うな。汝らはすべて他人のことより自分のことをよく知る故に。

六十七 おお空想の子らよ!

まことに汝ら輝かしき朝が、永遠に聖なる地平線上に明け初める時、夜の暗闇の中に隠されていた数々の非道な行いや秘密は、世の人々の前に暴露され明示されることを知れ。

六十八 おお塵埃に芽ぐむ雑草よ!

何故に汝の汚れたる手は、汝自身の衣服に先に触れざるや。また何故に欲望と激情とに汚された心をもちて、汝われと親しく交わり、わが聖なる領域に入らんとするや。汝らは汝らの欲するところよりは遥かに遠くかけ離れている。

六十九 おおアダムの子らよ!

聖き言葉と清らかなる善き行いは、聖なる栄光の天国に昇る。汝らの行いを自我と偽善の塵埃よ り清め、栄光の宮廷にて恩寵を受けるべく努めよ。やがて人類の試験者らは、最愛なる者の聖なる御前にて、完全無欠なる美徳と汚れなき純粋な行為の他は何も のも受けつけぬであろう。これこそ神意の地平線上に輝き出た叡知と聖なる神秘の昼の星である。それに向かうものに幸あれ。

七 十 おお煩悩の子よ!

喜ばしきは実在の国である、汝もしそこに達するならば。輝かしきは永遠の領土である、汝もし この死すべき世を乗り越えるならば。快きは聖なる恍惚の境である、汝もし天上の若者の手より神秘なる聖盃を飲むならば。汝この段階に到達するならば、滅亡 と死と労苦と罪より解放されん。

七十一 おおわが友らよ!

汝らザマンの聖域にあるパラン山にてわれと結びしあの聖約を思い出せ。われ天上の群衆と永遠 の都の住人たちを証人とした。しかも今や誰一人として聖約に忠実なるものを見出すことはできない。疑いもなく、傲慢と反抗によって聖約は人々の心から消し 去られ、かくてその痕跡さえも残っていない。しかもこのことを知りながらわれは待ち、これを公表しなかった。

七十二 おおわが僕よ!

汝はよく鍛え上げられ、暗い鞘に封じこめられた剣の如きものであり、その剣の価値は職人には隠されている。それ故自我と俗望の鞘より抜け出でよ。さらば汝の真価は輝き出で全世界に明らかとならん。

七十三 おおわが友よ!

汝はわが聖なる天空の昼の星である。世の汚れにより汝の光輝を覆い消すな。無思慮のべールを寸断せよ。されば汝雲の陰より輝き出で、あらゆるものを生命の衣もて装わん。

七十四 おお虚栄の子らよ!

儚き主権のために汝らはわが不滅の国土を見捨てた。また世俗のきらびやかな装いもて身を飾 り、それを汝らの誇りとしている。わが美にかけて誓う。われはすべてを塵埃の一色の被いの下に集め、これら異る色彩をすべて消し去らん。唯一免れ得るのは わが色を選びし者らであり、わが色とはあらゆる色より清められた色なり。

七十五 おお怠慢の子らよ!

滅ぶべき主権に愛着するな。またその中にて喜ぶな。汝らは梢にて自信満々と囀る軽率なる小鳥の如きものである。突然猟人なる死が、それを塵埃の上に射ち落し、そのメロディも、その形も、またその色も消え去り、痕跡も残らないであろう。されば心せよ、おお欲望の奴隷らよ。

七十六 おおわが侍女の子よ!

導きは、かつては言葉によって与えられたが、今やそれは行いによって与えられる。何人も純粋にして聖き行いを示さねばならぬ。言葉は万人の 共有するものであるが、聖き行いはわが愛する者らのみのものである。されば汝らの行いによりて見分けられるよう心魂を打ち込んで努力せよ。かくの如くわれ はこの聖く輝かしき書において汝に忠言する。

七十七 おお正義の子よ!

夜のうちに不滅なる者の美は、忠誠の新緑の丘より、サドラトル・モンタハヘ行ってさめざめと 泣いた。彼の悲しむ様を見て天上の群衆も、天国の住人たちも貰い泣きしたほどであった。そして何故にかくも歎き悲しむやと問われた時、彼は答えた。命じら れた如く、われ忠誠の丘にて期待して待てり。されど地上の住人たちより誠実の香は匂い来らず。かくてわれ帰るよう召された時、ああ悲しいかな、われは何羽 もの聖なる鳩が地上の犬どもの爪に甚だしく苦しめられたるを見た。そこで天の侍女は彼女の神秘なる館よりべールを脱ぎ捨て、光り輝きつつ走り出で、彼らの 名を尋ねた。すると一つを除くすべての名が告げられた。せき立てられて残りの一人の第一の文字が語られた。そこで天上の館に住む人たちが栄光の住いより駈 け出した。第二の文字が述べられた時、彼らは一人残らず塵埃の上に平伏した。この時最奥の神殿より一つの声あり、曰く「これまでは、されどもうこれ以上は 断じて」。まことにわれ彼らがなせること、またなしつつあることの証人とならん。

七十八 おおわが侍女の子よ!

慈悲深き者の舌より聖なる神秘の流れを飲め。また聖なる言葉の曙光より、知恵の昼の星の明らかな輝きを見よ。わが聖なる知恵の種を心の清き土に蒔き、確信の水を注げ。されば知識と知恵のヒヤシンスは、心の聖き都より生々した緑の芽を出さん。

七十九 おお欲望の子よ!

汝いつまで欲望の領域で飛ぶや。わが汝に与えし翼は、神秘なる神聖の領域へ飛ぶためにして、悪魔の幻想の領域を飛ぶためにあらず。わが汝に与えし櫛もまたわが黒髪をくしけずるためにして、わが喉を引き裂くためにあらず。

八 十 おおわが僕らよ!

汝らは、わが花園の樹である。汝ら自身と他のものの利益のために、立派なる素晴らしき果実を 結ばねばならぬ。かくて技術を身に付け職業に従事することは万人の義務である。そこにこそ富の秘訣があるからである。おお理解力ある人々よ。結果は手段に 依存し、神の恩恵は汝らに全く十分であろう。果実を結ばぬ樹は焼かれてきたし、また永久に火にくべられるであろう。

八十一 おおわが僕よ!

地上において果実を結ばぬ者こそ最も卑しい者らである。またかような者らは、まことに死人の仲間とみなされている。否、神の目には、これらの怠惰にして価値なき者らよりも死者の方がましである。

八十二 おおわが僕よ!

すべての世界の主なる神の愛のために、職業によって生計を得、自らとその同族のためにそれを使う者こそ最も善き人々である。

言葉のベールの下にこれまで隠されていた神秘にして素晴らしき花嫁は、

輝かしい光が最愛なる者の美によって放たれたるが如く、
今や神の恵と聖なる恩寵によって現わされた。

おお友らよ。恩恵は完全であり、論証は満たされ、

証拠は現わされ、証明は実証されたことを証言する。

今や世俗超脱の道における汝らの努力は何を示さんとするかを見よう。

かくて聖なる御恵みは、汝らと、また天と地にある者らに十分与えられている。

諸々の世の主なる神に御栄えあれ。